ドッグフードを選ぶとき、パッケージの「原材料」や「保証分析値」を確認していますか?「なんとなく良さそう」という印象だけで選んでいる飼い主さんも多いですが、ラベルには愛犬の食事の品質を見極める重要な情報が詰まっています。
この記事では、ドッグフードのラベルの読み方を一から解説します。ラベルリテラシーを高めることで、愛犬に本当に良いフードを選ぶ力が身につきます。
さまざまな食材・原材料のイメージ
日本のペットフードラベルの仕組み
日本では「ペットフードの安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)」による法定義務(5項目)と、ペットフード公正取引協議会の「公正競争規約」による業界標準表示(3項目)を合わせると、以下の情報がパッケージに表示されています(出典:ペットフード公正取引協議会)。
| 記載事項 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 名称 | 「ドッグフード」など | ペットフード安全法(法定義務) |
| 原材料名 | 配合量の多い順 | ペットフード安全法(法定義務) |
| 原産国 | 製造国の表示 | ペットフード安全法(法定義務) |
| 賞味期限 | 未開封での使用期限 | ペットフード安全法(法定義務) |
| 事業者情報 | 氏名または名称・住所 | ペットフード安全法(法定義務) |
| 保証成分値 | タンパク質・脂質・粗繊維・水分の最低または最大値 | ※公正競争規約(業界規約) |
| 内容量 | 重量またはカロリー | ※公正競争規約(業界規約) |
| 給与方法 | 対象犬の体重・年齢別の給与量目安 | ※公正競争規約(業界規約) |
原材料名の読み方
記載順の意味
原材料は重量の多い順に記載されています。つまり最初に書かれている成分が、フードの中で最も多く使われている材料です。
良い例: チキン、玄米、大麦、チキンファット、サーモン油…
→ 肉が最初に来ており、動物性タンパク質が主原料
注意が必要な例: とうもろこし、小麦粉、チキンミール、大豆…
→ 穀物が肉より先。動物性タンパク質が少ない可能性
「ミート vs ミール」の違い
| 表記 | 意味 | 品質の目安 |
|---|---|---|
| チキン(fresh chicken) | 生の鶏肉(水分含む) | 新鮮で高品質だが、調理後に重量が大幅減少 |
| チキンミール(chicken meal) | 鶏肉を乾燥・粉砕したもの | 水分が少なくタンパク質濃縮。品質は安定 |
| チキン副産物 | 骨・内臓・頭部など | 品質のバラつきあり |
| 肉類(種別不明) | 種別不明の混合肉 | 品質・種類が不透明 |
「チキン」は水分を含んだ状態の重量で記載されているため、実際に加工されたあとの固形分は「チキンミール」より少なくなることがあります。「チキン」が1番目でも「チキンミール」が3番目にある場合、実質的なタンパク源はミールが多いケースもあります。
「成分分割(スプリッティング)」に注意
同じ成分を別々の名前で分割して記載し、見かけ上の配合量を少なく見せる手法があります。
例: チキン、とうもろこし、グルテンフリー大麦、コーンミール、コーングルテン…
→ とうもろこし・コーンミール・コーングルテンをまとめると穀物が主成分の可能性がある
保証分析値の読み方
| 項目 | 意味 | 見方のポイント |
|---|---|---|
| 粗タンパク質 | タンパク質の含有率(最低値) | 成犬(維持期)はAAFCO基準で18%以上が最低ライン。パピー(成長期)は22.5%以上が最低ライン(乾物ベース)。シニアはAAFCO成犬維持期基準(18%以上)が適用される(出典:AAFCO Dog Food Nutrient Profiles) |
| 粗脂肪 | 脂質の含有率(最低値) | 成犬のAAFCO最低基準は5.5%(乾物ベース) |
| 粗繊維 | 食物繊維の含有率(最大値) | 低めであるほど消化吸収に影響しにくい |
| 水分 | 水分含有量(最大値) | ドライフードとウェットフードで大きく異なる |
「乾物重量(ドライマター基準)」で比較するとフードの種類に関係なく栄養価を比較しやすくなります。計算式:乾物量の栄養素% = 記載% ÷ (100% - 水分%) × 100
知っておきたい添加物の種類
使用目的別の主な添加物
| 種類 | 目的 | 代表的な成分 |
|---|---|---|
| 酸化防止剤 | 酸化・腐敗を防ぐ | ビタミンE(トコフェロール)、ビタミンC(アスコルビン酸)、BHA、BHT |
| 保存料 | 細菌の繁殖を防ぐ | ソルビン酸カリウム(一部のウェット) |
| 着色料 | 見た目を良くする | 赤色40号、青色2号など |
| 増粘剤・安定剤 | 食感・形状維持 | カラギーナン、キサンタンガム |
| 風味増強剤 | 嗜好性を上げる | 動物性消化エキス |
天然vs合成の酸化防止剤
| 種類 | 安全性 | 保存期間 |
|---|---|---|
| ビタミンE(天然) | 高い | やや短い(開封後は早めに消費) |
| ビタミンC(天然) | 高い | やや短い |
| BHA(合成) | IARC分類2B(発がん性の可能性あり)。BHTとは分類が異なる | 長い |
| BHT(合成) | IARC分類3(ヒトへの発がん性は証拠不十分)(出典:IARC) | 長い |
| エトキシキン(合成) | 農薬由来。欧州ではペット飼料添加物として2022年に全面禁止(EU規制2022/1375) | 長い |
「無添加」「ナチュラル」などの表示には法的な定義が曖昧なものがあります。「天然素材」と書かれていても着色料が含まれている場合もあります。表示の言葉より原材料名の具体的な内容を確認しましょう。
AAFCO(米国飼料検査官協会)基準とは
輸入フードのラベルに「AAFCO基準に適合」と書かれていることがあります。AAFCO(米国飼料検査官協会)は、米国の州・連邦の飼料規制当局職員等で構成される任意加入の会員制団体で、ペットフード栄養基準(Nutrient Profiles)を策定・公表していますが、製品を認証・承認する法的権限は持ちません。日本の総合栄養食認定とは別基準ですが、国際的な品質の目安として参考になります。
「AAFCO基準適合」の確認方法:
- ラベルに「complete and balanced」「成長・維持の栄養基準を満たす」などの記載を探す
- ライフステージ(パピー・成犬・全年齢)の記載も確認する
まとめ
ドッグフードのラベルを読む力がつくと、「なんとなく高そうだから良さそう」ではなく、「実際に何が入っているか」で選べるようになります。まず原材料の記載順と保証分析値の見方を覚えるところから始めてみてください。
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